猛者日記

大学生のブログです

YUIとJアニメと私

小学生。公園。夕方。5時の鐘。

家に帰れば程無く、テレビ東京でジャンプ系列のアニメが始まる。

D.Grayーman、銀魂BLEACH青の祓魔師NARUTO...、海外でも人気を誇る看板作品が並ぶラインナップ。個人的には、名前を見ただけで痛々しい思い出を掘り返してしまうものばかり。あの頃、大声で叫んでた必殺技は、10年近くたった今でも同じテンションで暗唱出来る。

 

amazonに三千円払って入会したPrimeVideoで、ガッシュベル観てたら、そんなことを思い出した。(ガッシュベルは、ジャンプじゃないし、夕方でも無いし、世代でもないけれど)

 

ということで、小学生の頃観ていたアニメのOP集をYOUTUBEで観ていた。二つ気付いたことがあった。

一つは、懐かしさは曲からくるのだ、ということ。正直、OPの映像なんてのは、1フィルムも覚えて無かったけど、聴き覚えのある曲は大抵口ずさめた。逆に聴き覚えないのは見てなかっただけとも分かった。OP映像の中で、知らん敵キャラがボスっぽさを出していた。

 

そしてもう一つは、俺はYUIが大好きだったということ。

 

ジャンプ系アニソンにおけるYUIの曲は凄い。

今回の本題はこれ。

文章が収まらないので、今回は一曲だけ紹介する。

 

YUIのRollingStarという曲がある。 

BLEACHの曲で、当時6歳の俺にクリーンヒット。毎日のように口ずさんでいた。

 

 

女性シンガーソングライターとして、一時代を築いたYUIのロックナンバー。

まず、曲の構成から良い。Aメロからサビに行きつくまでの時間が約30秒という短さ。ちなみに2回目のサビも一度目のサビ終わりから約30秒後に来る。このムダの無い、シンプルさがカッコいい。

 

そして、そのストレートな曲調に乗ってくる歌詞が、

君のFighting Pose 見せなきゃ Oh!Oh!

である。昔、国語の授業では、文に続く「―(ダッシュ)」にはどんな意味が込められているのか?という話がよくあった。

ここで「―」にあたるのは「Oh!Oh!」である。

何故ゆえ、YUIはここで歌詞に、アメリカの風を吹かせたのか。よく考えたら、その前の「Fighting Pose」からおかしい。

曲としては、「きぃみのファーイティーングポーズ ギャギャッ ギャギャッ(ギターのブラッシング部分) みーせなっきゃ Oh!Oh!」となる。

まず、ここでの「見せなきゃ」は、「見せなければ、お前はOh!Oh!」(恫喝)ではなく、「ほら見せなきゃ!」(催促)である。

つまり、ここでYUIはコチラ(君)に「FightingPose見せちゃいなよ!」のノリで話しかけている。完全にジャニーズの距離の詰め方。

曲の歌い方はCOOLだが、そこはYUIなりの照れ隠し、内容ではコチラにHOTなノリで、「見せなきゃ」の末尾には「Oh!Oh!」をつけるご機嫌さを届けてくれる。ある種のツンデレプレイである。

さらに照れ隠しなのは、「君のFighting Pose」と「見せなきゃ」の間に生じるギター(ギャギャッ ギャギャッ)である。コチラを面と向かって応援する恥ずかしさのあまり言い淀んでしまったのか、はたまた一度、溜めを作ることで、その後の見せなきゃを強調したとも考えられる。どちらにしろ、YUIがコチラを思うがゆえの「ギャギャッ ギャギャッ」なのだ。

 

そして、そこかサビが 

夢にまで見たような世界は
争いもなく平和な日常

でも現実は日々トラブッて

たまに悔やんだりしてる

そんなRolling days

最高。

男子小学生というものは「争いもなく平和な日常を夢見ているキャラ」を夢見る生物。ここで強調したいのは、このキャラは実際には様々な事件に巻き込まれているということ。理想の中では、いつも平穏を望みながら、仕方なくトラブルに巻き込まれている。でも、なんだかんだピンチの仲間は助けに向かう。努力をせずにいつも無気力でいながら、本気を出したら一番強い。一人だけ違うベクトルを向きながら、一番強い。

止まらない。

ともかく男子小学生とは、こういった矛盾を持った存在になりたいという願望がある。

自らのしょうがなくやってる感じと、他からの頼りにされる感じ。この二律背反が小学生の永遠の目標である。

現実では、人生の中で最も平和な日常を送っているに関わらず。

 

この曲は、そんな人生で最もどうでもよい願望を持ってた小学生の頃の心を、大人になった今、再び卍解させる。