猛者日記

大学生のブログです

デジタル勘違い

この数十年で人間のテクノロジーはかつてない進歩を遂げているらしい。

人間が何万年という時をかけて類人猿から進化してきたというのに、iPhoneは数年単位で新作が登場してくる。この進歩のスピードは加速度的であり、これから近い将来必ずシンギュラリティが起こるともっぱらの噂だ。

テクノロジーについて行けなくなった人間の脳が引き起こすバグがある。これをデジタル勘違いと名付けたい。

 

例えば、

・録画じゃないのに、テレビのCMをスキップボタンで飛ばそうとしちゃう

これはデジタル勘違いの初歩中の初歩。初級編といったところである。録画ばかり見ているせいでクセが染み付いてる自分が少し怖くなる。

 

・逆に録画見てて地震速報流れると揺れると思ってビックリしちゃう

これですぐNHKに変えたら、何食わぬ顔で試してガッテンが放送されてた時の狐につままれた感は半端じゃない。

 

・ゲームアプリの広告で実際に試しプレイできるやつかと思ったら、全然そんなことなくてアプリのストアに飛ばされる

これのタチ悪い所は試しプレイできる広告が割と多いことだ。プレイできる広告に紛れさせてるせいで、毎回どっちのやつか分からなくなる。この二択毎回外してる気がする。あと実際に試しプレイできるやつかと思ったら、本当に試しプレイ出来るやつで、やったーって思ってプレイしてたら、3操作目くらいで急に広告が変わってストアに飛ばされるやつもある。あのぬか喜びが1番情けない。

 

YouTubeで広告見終わったと思ったら、誤タップで全然見たくもない動画を再生してて、見たかった動画でもう一回広告を見るハメになる

これのせいで、黒人がスタバに文句言ってたら途中からビートが流れてきてHIP-HOPみたいになるやつと、地面の穴にメントスとコーラ入れたら魚がビチャビチャ飛び出てくるやつを何十回も見てる。

 

 

ここまでは初級である。

最後に上級編として以前遭遇したデジタル勘違いを紹介したい。

大学である講義を受けていた時のことである。その時期はコロナウイルスの影響もありオンラインでの講義が続いていた。この講義もご多分に洩れずオンラインでの講義であり、教授が事前に録画したものを期限までに生徒が見ておくという形式だった。

それが最終回に初めてリアルタイムで講義を行うことになった。もちろん時間通りに出席したのだが、どうも様子がおかしい。やけに教授の話す速度がゆっくりなのだ。調べたところ自宅のWi-Fiには問題がなく、もしかしたら教授は深刻な病を抱えていたり、この世ならざるものに干渉を受けていたりするのだろうかと心配になった。

後々、復習のために以前の講義のアーカイブを見返してた時に気づいたのだが、いつも1.5倍速でアーカイブを見ていたせいで、現実世界で一度も会ったことのない教授の話す速度は、自分の中で1.5倍がデフォルトになっていて、相対的にリアルタイムの話す速度が1.5倍遅く感じた、というのが原因だった。

逆に久しぶりに知り合いにいつもの1.5倍で話しかけてみると良いかもしれない。相手は混乱し、いまいる現実世界こそがアーカイブだったことに気付き、あなたはその瞬間から何度も繰り返し1.5倍で再生され、次第に忘れ去られる存在へとなったり、ならなかったりするかもしれません。